猅々ひゝ)” の例文
たゝみしわひとつづゝ、いやな黄味きみびて、えかゝる提灯ちやうちんかげで、ひく/\とみなれる、猅々ひゝ化猫ばけねこである。
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「嫁に欲しいと言つたつて、あれぢや人身御供ひとみごくう同樣で、まだしも岩見重太郎に退治される猅々ひゝの方がしでさ」
銭形平次捕物控:180 罠 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
「あつしが行つて睨んだら、怪しい女の正體もわかるだらうし、次第によつては、その岩見重太郎一と役を買つて出て、女猅々ひゝを取つて押へようといふ寸法で」
「あ、あの猅々ひゝ退治の小父さん——講談で聽きましたよ」