犧牲いけにへ)” の例文
新字:犠牲
續いて、ドツと立ち騷ぐ人垣、鳴物も踊り手も後見も、不意の出來事に驚きながらも、この美しい犧牲いけにへを、八方からかつきあげたのです。
銭形平次捕物控:315 毒矢 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
そは神と人との間に契約を結ぶにあたりては、わがいふ如く貴きこの寶犧牲いけにへとなり、かつかくなるも己が作用はたらきによればなり 二八—三〇
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かたみにつらき犧牲いけにへ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
誇るべきかな、犧牲いけにへ
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
カルロ、イタリアに來れり、しかして贖のためにクルラディーノを犧牲いけにへとなし、後また贖のためにトムマーゾを天に歸らしむ 六七—六九
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
此儘お靜を犧牲いけにへにするのではあるまいか——と言つた豫感が、平次の頭をサツとかすめて去つたのです。
フィオレンツァはその平和終る時、犧牲いけにへをば、橋をまもるかの缺石かけいしに獻げざるをえざりしなりき 一四五—一四七
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
その祭におびたゞしい犧牲いけにへを要するところから、腹心の者に命じて、音羽九丁目に唐花屋からはなやといふ小間物屋を出させ、江戸中の美女を釣り寄せては、その内でも優れた美人を誘拐かどはかして犧牲いけにへにし
それ二の物相合してこの犧牲いけにへの要素を成す、一はその作らるゝもととなるもの一は即ち契約なり 四三—四五
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
「お、娘頼むぞツ、あの犧牲いけにへも逃すなツ」