牧渓もっけい)” の例文
旧字:牧溪
そしてことに、霧の中でものを見た牧渓もっけいの絵、支那では第一流の本格的画家とは少し別の牧渓、その牧渓が何故当時の日本で宋画の代表の如く学ばれ出したか。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
徽宗きそう皇帝、梁楷りょうかい馬遠ばえん牧渓もっけい、それから、この夏珪、みんな北宗画の巨頭なのだ、どんな小幅だって五千円もする。この幅などは、お父様が、今迄いままで見た中での傑作だ。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
麓は利休りきゅう手簡しゅかんの軸を持ち来りて釜の上に掛く。その手紙の文に牧渓もっけいをほめて
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
その外馬遠ばえんの対幅が五百両、牧渓もっけいが一幀五百両なり。その他もこれに準ず。また茶器を買入るるものあり(銘は知らず)、茶盒ちゃごう千五百両、南蛮縄簾なわすだれ水指みずさし三百両、祥瑞しょうずい香盒こうごう二百両なり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)