牀机しょうぎ)” の例文
農家の土間へ牀机しょうぎをすえ手製の卓を置いただけの暗い不潔な家で、いわゆる地方でだるまという種類に属する一見三十五六、娼妓しょうぎあがりのいんをすすめる年増女が一人いた。
禅僧 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
しかるに近年稲扱きを製す。その形は狭き牀机しょうぎの如く、竹の大釘おおくぎ数十を植ゑ、少しくマングハ(馬歯把)に似たり。穂を引掛けて引くに、其力は扱竹こきだけに十倍す。故に孀婆業を失ふ。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ある日、牀机しょうぎに腰かけている男が、突然、その前に立っている女に、両手を拡げる。すると女は尻を突き出して、男の膝に乗る。男は後から両手で女の胴を抱いている。女は盛んに腰を揺っている。
澪標 (新字新仮名) / 外村繁(著)
そして焚火を前にして牀机しょうぎに腰をまずかけた。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)