牀上しょうじょう)” の例文
そうして娘は口を細め、ほおをふくらめて、紙幣で折った鶴をぷうと吹いた。鶴は虚空に舞い上ったが、たちま牀上しょうじょうに落ちた。
紙幣鶴 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
独り居室にいるときでも、夜、牀上しょうじょうに横になったときでも、ふとこの屈辱の思いがきざしてくると、たちまちカーッと、焼鏝やきごてをあてられるような熱いうずくものが全身をけめぐる。
李陵 (新字新仮名) / 中島敦(著)
「思い出す事など」を牀上しょうじょうに書き始めたのは、これがためである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)