爪垢つめあか)” の例文
と断ると、どてらは別に失望のていもなく、自分でかたまったうちの一本を、爪垢つめあかのたまった指先で引っ張り出した。はたせるかな煙草はしわだらけになって、太刀たちのようにっている。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「家の俊一なぞは些っと三郎の爪垢つめあかを貰ってせんじて飲むといんだよ」
嫁取婿取 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)