焼鍋やきなべ)” の例文
爺いさんは焼鍋やきなべを出して、玉葱でこすつて、一寸火に掛けて温める。ドルフとリイケとは林檎を剥いて、心をけて輪切にしてゐる。
夕飯には岸本は中根夫婦の帰朝を祝うこころばかりに一同へ鳥の肉を振舞うことにした。女中は母屋おもやの方から食卓だの、食器だの、焼鍋やきなべだの、火を入れた焜炉こんろだのを順に運んで来た。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)