無料たゞ)” の例文
「あんさんらは、何でんナ、青切符が無料たゞでおますよって、旅する云うても結構でおますナ」と言ったことがある。
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
『何もその錢金のかゝこつえのだ。私は其麽者で無え。自分で宿料を拂つてゐて、一週間なり十日なり、無料たゞで近所の人達に聞かして上げるのだツさ。今のその、有難いお話な。』
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
一つは市場に於ける最高の値段であり、他は——無料たゞといふ値段だつた。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)
「私たちはお金を支拂はないの? 無料たゞで置いて貰つてゐるの。」
何處かに、火事とか、洪水とか、颶風ぐふうとか、罷業とか、飢饉とかいふやうな、人々を困窮に陷れるやうな災厄が起つた時には、必ず「アグレイア」粉が「無料たゞ」といふ値段で、豐富に發送された。
水車のある教会 (旧字旧仮名) / オー・ヘンリー(著)