ヌラ)” の例文
姫は、何処ドコをどう歩いたか、覚えがない。唯家を出て、西へ/\と辿つて来た。降り募るあらしが、姫の衣をヌラした。姫は、誰にも教はらないで、裾をハギまであげた。風は、姫の髪を吹き乱した。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)