濕氣しけ)” の例文
新字:湿気
先年せんねん麹町かうぢまち土手三番町どてさんばんちやう堀端寄ほりばたよりんだ借家しやくやは、ひど濕氣しけで、遁出にげだすやうに引越ひつこしたことがある。
くさびら (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
蓋の澁紙も新らしくて一と月と經つたものではない、あの邊は濕氣しけるから、床下の紙がすぐ腐るよ、——主人の金の隱し場所をお絹が知つてゐて、伊三郎に教へたかも知れないといふのは大間違ひだ。