滑走かっそう)” の例文
飛行艇が離水する前に、はげしいいきおいで水上滑走かっそうをする。そのときなみがおこって、窓にぶつかる。窓は浪で白く洗われ、外が見えなくなる。
恐竜艇の冒険 (新字新仮名) / 海野十三(著)
トビウオがとぶように、船体はほとんど水面をはなれて、空中を滑走かっそうしています。へさきの切る水しぶきは、みごとに左右にわかれ、大きな噴水が走って行くようです。
青銅の魔人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
サイクロレエンに乗っていたっぱらいの水兵が、滑走かっそうの途中、立ち上がり、横木にはさまれてくびを折ったとか、赤ん坊をいた若妻が滑りおちる恐怖にたえかね、子供を手放したので
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
とたんにガスの放出はとめられ、艇は滑走かっそうで前進する。艇の通りすぎるうしろには、もうもうと砂煙があがって、まるで艇が火災を起したようだ。
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
怪塔ロケットにつながって、一万メートルの上空を滑走かっそうしていく青江機上では、小浜・青江の二勇士が顔色一つかえずにのんきな話をつづけています。
怪塔王 (新字新仮名) / 海野十三(著)
爆音が高くひびくと、空魔艦は氷上に滑走かっそうをはじめた。ぴんと張った両翼は、どう見ても巨大ないきもののように思えてならない。そのうちに空魔艦はふわりと空中に浮いた。
大空魔艦 (新字新仮名) / 海野十三(著)
出発のときは、胴体から引込ひきこみ式の三きゃくをくりだして、これによって滑走かっそうした。そのとき、やはり胴体から水平翼すいへいよく舵器だきが引き出されて、ふつうの飛行機とどうように地上を滑走した。
怪星ガン (新字新仮名) / 海野十三(著)