源之助きのくにや)” の例文
壁にはうっすり、呼吸いきあとと、濡れた唇が幻にそのまま残って、蝶吉の体は源之助きのくにや肖顔画にがおえが抜出したようになって、主婦おかみの手で座敷の真中まんなかへ突入れられて、足もたまらず、横僵よこだおれになったが、男のそば
湯島詣 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
あの毛唐人奴けとうじんめ等、勝山のお嬢さん、今じゃあ柳屋の姉さんだ、それでも柳橋葭町よしちょうあたりで、今の田圃たんぼ源之助きのくにやだの、ぜんの田之助にているのさえ、何の不足があるか、お夏さんが通るのを見ると
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)