湿うるみ)” の例文
旧字:
何か知らず無性に悲しくなつてぢつと湿うるみのさしくる眼、自分で自分を叱るやうに、ゑゝと図らず声を出し、煙草を捻つて何気なくもてなすことはもてなすものゝ言葉も無し。
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
透通るような声が、露に濡れて、もの優しい湿うるみを帯びつつ
浮舟 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)