渾成こんせい)” の例文
渾成こんせい完璧かんぺきの語ここに至るを得てはじめて許さるべきものであろう。わたしがヨウさんに勧められ「彩牋堂の記」を草する心になったのも平素『鶉衣』の名文を慕うのあまりにでたものである。
雨瀟瀟 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
日本を代表しての古今独歩とはし難い……日本を代表する以上は、そのすべてが日本化されて、そうして独自の境に立って、天下を睥睨へいげいするという渾成こんせいと、気魄きはくが無ければならないのです。
大菩薩峠:31 勿来の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)