温泉嶽うんぜんだけ)” の例文
新字:温泉岳
その中でも肥前の温泉嶽うんぜんだけの附近にあるものは、ことに哀れでまた児童と関係がありますから、一つだけここに出して置きます。
日本の伝説 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
そこは峠の絶頂で眼の下に底知れぬ闇の如く黒くひろがつてゐる千々岩灘ちゞはなだが一眼に見え、左手にはさながら生ける巨獣の頭の如く厖大に見える島原の温泉嶽うんぜんだけ蜿々ゑん/\と突き出てゐる。
家いでて来にしたひらに青膚あをはだ温泉嶽うんぜんだけの道見ゆるかな
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
しかし更に一層残酷な拷問、——温泉嶽うんぜんだけの沸騰する熱湯の中に逆吊りに浸たされた時、彼は遂に夢中で転宗を叫んだのであつた。転宗を一度叫んだ以上彼はもう「天国とは縁が切れた」のである。