“深痍”の読み方と例文
読み方割合
ふかで100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
横山に額を切られた鹿島も、上田も、すきうかゞつて逃げた。同志のうちで其場に残つたのは深痍ふかでを負つた柳田一人であつた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「とかくは此処を立ち退かん見付けられなば命危し」ト、いふに鷲郎も心得て、深痍ふかでになやむ黄金丸をわが背に負ひつ、元入りし穴を抜け出でて、わが棲居すみかへと急ぎけり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
柳田は深痍ふかでに悩んでゐて、まだ死なぬと云ふこと、同志の名を明さぬと云ふことなどは、市中の評判になつてゐた。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)