よどみ)” の例文
巨きな岩のうち重なっている間を、水はよどみをなし瀬となって流れていた。両岸からおおいかかる樹の茂みで、あたりは空気まで琅玕色ろうかんいろに染まるかと思える。
いさましい話 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
美禰子は食物くひものを小皿へ取りながら、与次郎と応対してゐる。言葉に少しもよどみがない。しかもゆつくり落付いてゐる。殆んど与次郎の顔を見ない位である。三四郎は敬服した。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)