海阪ウナザカ)” の例文
だから、沖縄とは正反対になつて居るが、海阪ウナザカ彼方オチカタには、神でもあり、悪魔でもある所のものの国があると考へたのが、最初なのだ。
彼らは、もつと手近い海阪ウナザカの末に、わたつみの国と言ふ、常世トコヨを観ずる様になつて来た。いろこの宮を、さながら常世トコヨと考へることは、やはり後の事であるらしい。
妣が国へ・常世へ (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
而もその呪詞は、此くにに生れ出たものとは、古代においては、考へられては居なかつた。即、古代人の所謂海阪ウナザカの、彼方にあるとした常世トコヨの国から齎されたもの、と考へたのである。
日本文学の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)