“泥舟”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
どろぶね75.0%
でいしゅう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火になつたき木をつてゐる狸、泥舟どろぶねと共におぼれる狸、——あの狸の死を御覧なさい。狸を亡すのは兎です。やはり一匹の獣です。この位意味の深い話があるでせうか?
教訓談 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
足に引きずる草履ぞうりと見たれば。泥で固めたカチカチ山だよ。まるで狸の泥舟どろぶねまがいじゃ。乞食まがいのケッタイ坊主が。流れ渡って来た国々の。風にさらされ天日てんぴに焼かれて。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
弟のなかなかきかない方が、やっと九歳で、通称けん三郎、あざな寛猛ひろたけ、後に養家の高橋姓に改めて、伊勢守となり、泥舟でいしゅうと号した人である。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忍斎にんさいと号し、または泥舟でいしゅうともったのは、ずっと彼の晩年ではあるが、便宜上、以下高橋謙三郎を単に泥舟で記してゆく。
剣の四君子:04 高橋泥舟 (新字新仮名) / 吉川英治(著)