波騒なみざい)” の例文
旧字:波騷
関門海峡は、この日も北九州名物といってよい冬風の波騒なみざいだった。これあるがために、名物の河豚ふぐも一だん名声を高めたのかもしれない。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
左右の側近輩はぎょッと顔から顔へ波騒なみざいをよびおこした。明らかなうろたえが表に出た。高氏はしかし
私本太平記:07 千早帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
歌主うたぬしの心と同じように、いつも果てなく悲しい波騒なみざいとのみ見る海の色までが、きょうは明るくて、燦々さんさん睫毛まつげにかがやいて、希望そのものを波打つかに思われる。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
波騒なみざいは世の常である。
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
が、波騒なみざいの外——
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)