“泡立(あわた)” の例文
コンスタアブルは湿気の状を描き得たれども暴風の狂猛を捉ふる事能(あたわ)ず、然るに北斎にあつては風勢(ふうせい)のいかに水を泡立(あわた)たせ樹木を傾倒しまた人馬を驚かすかを知れり。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
今日汽車の内なる彼女(かれ)の苦悩(くるしみ)は見るに忍びざりき、かく言いて二郎は眉(まゆ)をひそめ、杯をわれにすすめぬ。泡立(あわた)つ杯は月の光に凝りて琥珀(こはく)の珠(たま)のようなり。二郎もわれもすでに耳熱し気昂(あが)れり。
おとずれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)