“法庭”の読み方と例文
読み方割合
ほうてい100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ミュンステルベルグと云う学者の家に賊が入った引合ひきあいで、他日彼が法庭ほうていへ呼び出されたとき、彼の陳述はほとんど事実に相違する事ばかりであったと云う話がある。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ナポレオンでも、アレキサンダーでも勝って満足したものは一人もないんだよ。人が気に喰わん、喧嘩をする、先方が閉口しない、法庭ほうていへ訴える、法庭で勝つ、それで落着と思うのは間違さ。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
心を判然はっきと外にあらわさぬうちは罪にはならん。取り返しのつくなぞは、法庭ほうていの証拠としては薄弱である。何気なく、もてなしている二人は、互に何気のあった事を黙許しながら、何気なく安心している。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)