河部かわべ)” の例文
河部かわべの渡しで死んだとき、彼は胸に大海の茶入れをけていたという。あの豪骨ごうこつでも、やさしい風雅ふうがの一面があったとみえる。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうすでに看破していた吉川家の部下は、護送の途中、備中松山のふもとの河部かわべの渡しへかかったとき、渡舟わたしを待つ間に鹿之介が汗を拭っているすきをうかがい、うしろから不意に太刀を浴びせた。
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)