汚穢むそ)” の例文
胡瓜きゅうりならば日野川の河童かっぱかじろう、もっての外な、汚穢むそうて汚穢うて、お腰元たちが掃除をするに手がかかって迷惑だ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「うむ。」と腰をのばして老婆は起き、「やれ、汚穢むそうござります。」藁屑わらくず掻寄かきよせて一処ひとつに集め
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「失礼、さあ、お上りなさいまし、取散らかしまして、汚穢むそうございますが、」ときまり悪げに四辺あたりみまわすのを、うしろの男に心を取られてするように悪推わるずいする、島野はますます憤って、口も利かず。
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)