汗疹あせも)” の例文
六月三日が、土用どよううしの日。この日、桃の葉でたてた風呂へ入ると、暑気をはらい、汗疹あせもをとめるといって、江戸じゅうの銭湯で桃葉湯もものはゆをたてる。
顎十郎捕物帳:08 氷献上 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
親戚から送って貰った桃の葉で僅かに汗疹あせもを凌いだこと、遅くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かったこと、覚えて置こうと思うこともかなり多いと書いて見た。
秋草 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
親戚から送つて貰つた桃の葉で僅かに汗疹あせもを凌いだこと、遲くまで戸も閉められない眠りがたい夜の多かつたこと、覺えて置かうと思ふこともかなり多いと書いて見た。
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
汗疹あせものようなものが一人に出来ると、そいつが他の子供にまで伝染うつっちゃって——節ちゃんはあの時分のことをよく知らないだろうが、六歳をかしらに四人の子供に泣出された時は
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)