汐止しおどめ)” の例文
それから汐止しおどめの堀端へいった。堀は水がいっぱいで、荷足船が二そうもやってあり、その上で船頭たちがなにかしていた。
虎の門そとのつじかごをひろい、汐止しおどめの橋から木挽町へ出て、築地のほうへ向った。まさか山村座ではあるまい。こう思いながら、半之助はふと、ついこのあいだ見た、茶屋の出来ごとが眼にうかんだ。
山彦乙女 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)