氷川町ひかわちょう)” の例文
山木が車赤坂氷川町ひかわちょうなる片岡中将の門を入れる時、あたかも英姿颯爽さっそうたる一将軍の栗毛くりげの馬にまたがりつつで来たれるが、車の駆け込みしおとにふと驚きて、馬は竿立さおだちになるを
小説 不如帰  (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
鉄三郎が徳安とくあんと改め、維新後にまた磐と改めたのである。磐の嗣子信治しんじさんは今赤坂あかさか氷川町ひかわちょうの姉壻清水夏雲しみずかうんさんのもとにいる。三十九年には脩が入京して小石川こいしかわ久堅町ひさかたちょう博文館印刷所の校正係になった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)