水銹みさび)” の例文
洛外らくがい嵯峨さがの大沢の池の月——水銹みさびにくもる月影は青かったが、もっと暗かった。嵐山の温泉に行った夜の、保津川ほづがわの舟に見たのは、青かったが、もっと白かった。
モルガンお雪 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
が、その狭い通りを一足そのうちの門のなかへ入ると、驚くほど広い庭の、木の繁った築山があり、水銹みさびの浮いた大きな池があり、その池をめぐって、ほうぼうに手丈夫な座敷が出来ていた。
浅草風土記 (新字新仮名) / 久保田万太郎(著)
染みて水銹みさびも薫らめど
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
こもり水銹みさびの面に
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)