水亭すいてい)” の例文
そこには泉殿いずみどのとよぶ一棟ひとむね水亭すいていがある。いずみてい障子しょうじにはあわい明かりがもれていた。その燈影とうえいは水にうつって、ものしずかな小波さざなみれている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
暑いころに涼しい水亭すいていに出て院がながめておいでになる池には、はすの花が盛りに咲いていた。
源氏物語:42 まぼろし (新字新仮名) / 紫式部(著)
名所旧蹟地には茶店や料亭は付きもので、またそれが点景てんけい風物ふうぶつにもなっている。琵琶亭びわていなどもまさにそんな画中の水亭すいていだった。画中の客となった心地である。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)