“気窮”の読み方と例文
読み方割合
きづま100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時とすると目障めざわりでもあったが、しかし加世子がいなかったら、神経の疲れがちな庸三は、ぎごちないその態度で、どんなに客を気窮きづまらせたか知れなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼女は幸福さうだつたが、違つた環境のさびしさが段々しみて来た。悪戯いたづらは出来ないし、がらにあふ女達も近所にはなかつた。行儀や言葉づかひを直されるのも、気窮きづまりで仕方がなかつた。
チビの魂 (新字旧仮名) / 徳田秋声(著)
浅井は、妻が傍に自分の顔を眺めていることを思うだけでも気窮きづまりであったが、細君も手紙などを整理しながら、自分の話に身を入れてもくれない良人の傍に長く坐っていられなかった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)