残余ざんよ)” の例文
旧字:殘餘
かくして最早幾何いくばくもなくなつてゐる生涯の残余ざんよを、見果てぬ夢の心持で、死を怖れず、死にあこがれずに、主人のおきなは送つてゐる。
妄想 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
果してその効果がありたると見え、金博士は両眼りょうがんさえ閉じ呼吸いきもつかずに、残余ざんよのノクトミカ・レラティビアをフォークの先につきさして喰うわ喰うわ……。
ああして戸部近江之介をらなければならないことに立ち到った経過、いま全心身を挙げて一復讐魔ふくしゅうまと化し、残余ざんよの十七の生首なまくびねらっている自分の決心——それらを、細大さいだいらさず物語って
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)