武者顫むしゃぶる)” の例文
八五郎は武者顫むしゃぶるいのようなものを感じました。強敵お狩場の四郎にまた逢える期待が、何かしらこう五体のししむらをうずかせるのです。
ブルッと武者顫むしゃぶるいをした時である。前方の繁った木立を抜き、さっと走り出た人影があった。
怪しの館 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「兄貴は愈々いよいよ本気だな——」そう思うと、一と掴みほどの汚い少年の前に居る足の勇も、何んとなく武者顫むしゃぶるいらしいものを感ずるのでした。
流行作家の死 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
数馬はにわかに武者顫むしゃぶるいしたが
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
猛烈な闘争心が、武者顫むしゃぶるいになって八五郎の五体を走ると、役目柄の勇気が、勃然ぼつぜんとして奮い起ります。
銭形平次捕物控:126 辻斬 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
八五郎は両手をみました。相手が綺麗なだけに、何か武者顫むしゃぶるいみたいなものを感じます。
そう言われなくてさえ、張り切った若駒のように飛出そうとしている平次、いよいよ怪盗風太郎と、人交えもせずに最後の腕比べをしてやろうと思うと、思わず武者顫むしゃぶるいが全身を走ります。
爺やの友吉までが武者顫むしゃぶるいをして起ち上がりました。