だまか)” の例文
相川のお嬢にはうち相助あいすけという若党が大層に惚れて居るから、あれを旨くだまかし、孝助と喧嘩をさせて置き、あとで喧嘩両成敗だから、おいらの方で相助を追い出せば
あの事代主ことしろぬしの神が鷄の鳴聲にだまかされて、身を危ふくするところであつたといふやうなお伽話からでもなく、實は出雲民族に取つて忘れられない國讓りの日を記念するためであらうとのことであつた。
山陰土産 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)