機織虫はたおりむし)” の例文
旧字:機織蟲
あやなき闇のなかに湯の匂いのする町家の方へたどってゆくと、夜はようやく寒くなって、そこらの垣に機織虫はたおりむしが鳴いていた。
秋の修善寺 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
久「えゝと、待てよ……お前と夫婦みょうとになるなれば、わしは表で馬追むまおい虫、お前は内で機織虫はたおりむしよ」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
機織虫はたおりむし
十五夜お月さん (旧字旧仮名) / 野口雨情(著)
麹町にいた時には、秋の初めになると機織虫はたおりむしなどが無暗むやみに飛び込んで来たものであるが、ここではその鳴く声さえも聴いたことはなかった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
麹町にいたときには、秋の初めになると機織虫はたおりむしなどが無暗むやみに飛び込んで来たものであるが、ここではその鳴く声さえも聴いたことはなかった。
あやなき闇のなかに湯の匂いのする町家へたどってゆくと、夜はようやく寒くなって、そこらの垣に機織虫はたおりむしが鳴いていた。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
どこやらで水の音がひびいて、その間に機織虫はたおりむしの声もきれぎれに聞こえた。
山椒魚 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)