機回はたまわ)” の例文
村をはずれると、街道は平坦へいたん田圃たんぼの中に通じて、白い塵埃ちりほこりがかすかな風にあがるのが見えた。機回はたまわりの車やつかれた旅客などがおりおり通った。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
渡し船にはここらによく見る機回はたまわりの車が二台、自転車が一個ひとつ蝙蝠傘こうもりがさが二個、商人らしい四十ぐらいの男はまぶしそうに夕日に手をかざしていた。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その二里の街道には、やはり旅商人たびあきんどが通ったり、機回はたまわりの車が通ったり、自転車が走ったりしていた。尻をまくって赤い腰巻を出して歩いて行く田舎娘もあった。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)