横仆よこたわ)” の例文
と広々とした一面の耕地で、隅田堤すみだづつみが長々と、雪をかぶって横仆よこたわっていた。雪を踏み踏みその方角へ、三人の者は辿たどって行った。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
四人の者は、そっと吐息をし、府中の町が、一里の彼方、打ち開けた田畑の末に、黒く横仆よこたわっているのを、漠然と眺めやった。町外れの丘の一所が、火事かのように赤らんでいる。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そうして花嫁と折り重なり、癩人として横仆よこたわった。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)