権六ごんろく)” の例文
旧字:權六
多勢ではいけない、一人、二人ずつべつべつに江戸橋へ行くのだ。橋の下に船頭の権六ごんろくが舟を用意してまっている。舟には赤い風呂敷で鉢巻を
幻術天魔太郎 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
「殺人鬼権六ごんろく! 当地へ潜入せり、銀行家宮橋多平氏脅迫さる、脅迫状には五千円を要求しあり、当地住民は恐怖動揺をきたし、警察当局もまた非常警戒に任じたり」
天狗岩の殺人魔 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
左翼の陣が崩れ、美作が討たれたと聞くと、柴田権六ごんろくは陣を消して、末盛城すえもりじょうへ逃げこんでしまった。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
元来勝豊自身、勝家の養子ではあるが、勝家には実子権六ごんろくがある上に、病身であって華々しい働もないのでうとんぜられて居たのだから、勝家にあきたらない気持はあったのである。
賤ヶ岳合戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
その矢先に青山播磨は権次ごんじ権六ごんろくという二人の奴を供に連れて、今日の朝から青山の縁者をたずねて、そこで午飯ひるめしの振舞をうけて、その帰りに山王の社に参詣ながら桜見物に来たのであった。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
権六ごんろく、なんだか酒がっぱいなあ」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)