梟首さらしくび)” の例文
磔刑はりつけ梟首さらしくびも覚悟の上だが、覚えのない罪までは背負わぬぞ、——とにかく、今はまだ縛られたくない。あばよ」
伝馬町の獄門台へ豚尾とんびのついた梟首さらしくび押載おしのせてやるから待っておれ……何を魂消たまげたような顔でおれの面を見ている。
木曾路行軍の途中、東山道軍の軍規を犯した同藩の侍が野尻宿で打ち首になり、さらに馬籠の宿はずれで三日間梟首さらしくびの刑に処せらるるというものの首級なのだ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「あの宮の辻と申すところに出ている梟首さらしくびのことに就いてお尋ね致しとうござるが」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「五人だけは梟首さらしくびか。拙者は免れぬな、あははは」
乱世 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
磔刑はりつけ梟首さらしくびも覺悟の上だが、覺えのない罪までは背負はぬぞ。——兎に角、今はまだ縛られたくない。あばよ」
これが以前ですと、重々不届き至極しごくだなんて言って、引き回したり、梟首さらしくびにしたりしたものですけれど。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
三月の二日に、相良惣三の総人数が下諏訪の御本陣に呼び出されて、その翌日には八人の重立ったものが下諏訪の入り口で、断頭の上、梟首さらしくびということになりました。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
今下の船にゐる兄哥に磔柱はりつけばしらを背負はせて、その餓鬼がきおどかしたり、鈴ヶ森から梟首さらしくびを持つて來て、窓の外へ掛けたのは、皆んな俺達の深い怨みを思ひ知らせるためだつたよ——。
今下の舟にいる兄哥に、磔柱はりつけばしら背負しょわせて、その餓鬼がきを脅かしたり、鈴ヶ森から梟首さらしくびを持って来て、窓の外へ掛けたのは、みんな俺達の深い怨みを思い知らせるためだったよ——。
この六名はみな死罪で、ことに桃丸と三郎の二名は梟首さらしくびを命ぜられた。
夜明け前:02 第一部下 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)