梓行しかう)” の例文
アントニオは古の名家の少時の作を世におほやけにせしものあるを見て、或はおのれのをも梓行しかうせんとすることあらんか。そは世のあざけりを招くに過ぎず。
さきのとし玉山翁が梓行しかうせられし軍物語いくさものがたりの画本の中に、越後の雪中にたゝかひしといふあり。文には深雪みゆきとありて、しかも十二月の事なるに、ゑがきたる軍兵ぐんびやうどもが挙止ふるまひを見るに雪はあさく見ゆ。