桜樹さくら)” の例文
一団の桜樹さくらが葉になって、根元の土に花びらがひらひらしているところもあった。百姓家でははねつるべの音がきしんで、子守こもりが二人を見送っていたりした。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
⦅そうら、また親爺め、女帝陛下のお供をした時の話をはじめをるぞ!⦆かう、呟やきながらレヴコーは足ばやに、例のたけの低い桜樹さくらにかこまれた、馴染の小家をめざして、心も漫ろに急いでゐた。