桑園くわばたけ)” の例文
手本をもとにして生意気にも実物の写生を試み、幸い自分の宅から一丁ばかり離れた桑園くわばたけの中に借馬屋しゃくばやがあるので、幾度いくたびとなく其処そこうまやかよった。
画の悲み (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
桑園くわばたけの方から家鶏にわとりが六、七羽、一羽の雄に導かれてのそのそと門の方へやって来るところであった。
河霧 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
大塚の隣屋敷に広い桑畑くわばたけがあって其横に板葺そぎぶきちいさな家がある、それに老人としより夫婦と其ころ十六七になる娘がすんで居ました。以前は立派な士族で、桑園くわばたけすなわち其屋敷跡だそうです。
運命論者 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)