“栗原（くりはら）” の例文
「何、水曜なら、ちょうど僕の方も講義のない日だ。それで——と、栗原（くりはら）さんへは僕の方から出かけて行くのか。」
路上 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)
もちろん栗原（くりはら）さんも大変いいものだから、きっと当選するだろうと言って下さるし、私も脂（あぶら）が乗ったものなの。
仮装人物 (新字新仮名) ／ 徳田秋声(著)
私の勤めていたある工場の老守衛（といっても、まだ五十歳には間（ま）のある男なのですが、何となく老人みたいな感じがするのです）栗原（くりはら）さんと心安くなって間もなく
モノグラム (新字新仮名) ／ 江戸川乱歩(著)
とすぐ答えたのはあばれ坊主の栗原（くりはら）です。先生が頭を振られました。
僕の帽子のお話 (新字新仮名) ／ 有島武郎(著)
「栗原（くりはら）に滑川（なめかわ）に土居金八（どいきんぱち）、それから渡辺（わたなべ）の頑太郎（がんたろう）も呼んでやれ」
松林蝙也 (新字新仮名) ／ 山本周五郎(著)
「栗原（くりはら）です。倉庫係（そうこがかり）の栗原ですて」
夜泣き鉄骨 (新字新仮名) ／ 海野十三(著)
次の間（ま）へ来て見ると、果して野村（のむら）が栗原（くりはら）の娘と並んで、大きな暖炉（だんろ）の前へ佇（たたず）んでいた。
路上 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)
「この間、栗原（くりはら）の家（うち）にいたやつを貰って来たんだ。」
路上 (新字新仮名) ／ 芥川竜之介(著)