枯柴かれしば)” の例文
「でも、枯柴かれしばへ油をかけて火をつけた時は、皆んなそれに氣を取られて、定吉が居なくなつても、ほんの暫くなら氣はつきませんよ」
浅井七郎右衛門、同玄蕃げんばという者に、三田村右衛門大夫の兵が合体して、およそ八百人ばかりが、横山城の城戸きど枯柴かれしばの山をつんで、焼き立てているところという。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壇上の東海坊が声を掛けると、壇の四方を埋めて人間の背丈ほどに積み上げたおびただしい枯柴かれしばに油を注ぎかけて、護摩壇の火を取って移しました。
壇上の東海坊が聲を掛けると、壇の四方を埋めて人間の脊丈けほどに積み上げた夥しい枯柴かれしばに油を注ぎかけて、護摩壇の火を取つて移しました。
その男は、離屋の三方に積んだ枯柴かれしばに火をつけて、離屋の四方を廻りながら、氣狂ひのやうにをどり狂つてゐた、——あつしは直ぐ飛込んで來た。
「騒ぎの真っ最中といっても、東海坊が壇に登ってから、枯柴かれしばに火を掛けるまでだ」
「騷ぎの眞つ最中といつても、東海坊が壇に登つてから、枯柴かれしばに火を掛ける迄だ」