枕紙まくらがみ)” の例文
奥様のお出来なされた処を見たり、ぴつたりと御出のとまつた処を見たり、まだまだ一層もつとかなしい夢を見て枕紙まくらがみがびつしよりに成つた事もござんす
にごりえ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
しかし勤めの身は悲しいもので、あすはどういう客に逢おうも知れないと、彼女は枕紙まくらがみを濡らして話した。
鳥辺山心中 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
髪の毛が枕紙まくらがみさわる。中指なかざしが落ちたような、畳に物の音、上になり下になり軟らかい寝息。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)