東京トンキン)” の例文
東京トンキンから持つて来た罌粟けしの種子を死骸で肥えた墓地に植ゑて見ると思ひの外に成績がよくてその特徴を発揮させることが出来た。
鴉片 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
東京トンキンは他国の取って利益を見るべき所でない。仏国にしてすでにこれに懲りおる以上は、更に何を苦しんで領土の略奪を支那に企つる事があろう。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)
マアこんな訳故、新島の一条も、もと目籠を以て邪視を避くる風が、エジプト、インド、東京トンキン、イタリア等同様、日本にもありしが、新島ごとき辺土に永く留まった。
あまつさえかのクルペー提督をして東京トンキン瘴烟毒霧しょうえんどくむに暴露せしめ、空しくインド洋の藻屑とならしめたるも、また英国内閣がかのゴードン将軍をして刀折れ矢尽き茫々ぼうぼうたるスーダン熱沙ねっさ大漠たいばく
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
東京トンキン人は月蝕を竜の所為しわざとす(一八一九年リヨン版『布教書簡集レットル・エジフィアント』九巻一三〇頁)。
英にしてすでにしかりとすれば、自余の諸国になんで一指を西蔵チベットに染むるを欲するものがあろう。仏国の南清に於けるもまた同様である。仏国は今日その有する一の東京トンキンにさえ困っている。
三たび東方の平和を論ず (新字新仮名) / 大隈重信(著)