杜鵑花つつじ)” の例文
神代のむかしより蒸し重なりたる苔のうつくしう青み渡りしあはひ/\に何げなく咲きいでたる杜鵑花つつじの麗はしさ狩野派にやあらん土佐画にやあらん。
かけはしの記 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
このあたり豊多摩郡とよたまごおりに属し近き頃まで杜鵑花つつじの名所であったが、年々人家稠密ちゅうみつしていわゆる郊外の新開町しんかいまちとなったにかかわらず、射的場のみは今なお依然として原のままである。秋骨君いわ
四月六日には蘭軒が杜鵑花つつじ百々桜顛とゞあうてんの家に賞した。同遊者は榛軒、柏軒、山室士彦やまむろしげん、石坂白卿はくけいであつた。百々桜顛、名はとくあざな敬甫けいほ、後年しば/″\榛軒、門田もんでん朴斎等と往来した形迹がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)