朱溝しゆみぞ)” の例文
流石けがすに忍びでや、墨染の衣は傍らの松枝まつがえに打ち懸けて、身に纏へるは練布の白衣、脚下に綿津見わたつみの淵を置きて、刀持つ手に毛程の筋の亂れも見せず、血汐ののりまみれたる朱溝しゆみぞの鞘卷逆手さかてに握りて
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)