本身ほんみ)” の例文
してみると、槍突きは本身ほんみの槍で無しに、竹槍を持ち出して来るんだ。十段目の光秀じゃあるめえし、侍が竹槍を持ち出す筈がねえ。
半七捕物帳:18 槍突き (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
一日も、休みということはないようだ、木太刀をぜて、三本の刀を腰に横たえているのもあるし、本身ほんみの槍をかついで出て来る者もある。
宮本武蔵:03 水の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時キットまるべき十郎兵衛の足がいかにしても師匠玉造の気に入るように使えない「阿呆め」というなり立廻りに使っていた本身ほんみの刀でいきなり後頭部を
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
勘平の刀は舞台で用いる金貝かながい張りと思いのほか、さやには本身ほんみの刀がはいっていたので、角太郎の切腹は芝居ではなかった。
半七捕物帳:03 勘平の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
なじるように。)おまえさんの持って来た刀は本身ほんみかえ。
勘平の死 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)