みぎ白壁町しろかべちょうへのみちひだりれたために、きつねにつままれでもしたように、方角ほうがくさえもわからなくなったおりおり彼方かなた本多豊前邸ほんだぶぜんてい練塀ねりべいかげから、ひたはしりにはしってくるおんな気配けはい
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)