木耳きくらげ)” の例文
○豚饅頭には支那風にニンニクと木耳きくらげとヤエナリ小豆のモヤシとを豚肉に交ぜ米利堅粉にてツナぎたるがよし。薬味やくみにもニンニクを刻む。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
音が味を助けるとか、音響が味の重きをなしているものには、魚の卵などのほかに、海月くらげ木耳きくらげ、かき餅、煎餅せんべい沢庵たくあんなど。
数の子は音を食うもの (新字新仮名) / 北大路魯山人(著)
参木に老酒ラオチュウの廻り出した頃になると、料理は半ば以上を過ぎていた。テーブルの上には、黄魚のぶよぶよした唇や、耳のような木耳きくらげが箸もつけられずに残っていた。
上海 (新字新仮名) / 横光利一(著)
木耳きくらげに似ているが、扇に短い柄をすげた、という形で、裏には一めんにヒダがある。それを、可愛らしい仔雀の羽をひろげた、いわゆる「ふくら雀」に見立てたのは、働らきがあって面白い。
ある偃松の独白 (新字新仮名) / 中村清太郎(著)
たわけと言おうか、耳はあっても木耳きくらげ同様
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこらはみんな、ももいろをした木耳きくらげだ。